声優養成所に奨学金制度はあるのか

公開日:2021/07/15  最終更新日:2021/03/08

東京で声優の仕事をする人の多くは、デビュー前に声優養成所で演技を学んできています。声優養成所に通うにあたって、誰もが気になるのが学費です。もし、自力で学費を賄うのが困難な場合、奨学金制度があれば費用面の不安が解消される可能性がありますが、東京でこのような制度を実際に設けている声優養成所はあるのでしょうか。

そもそも奨学金制度とはどのようなものなのか

声優養成所の奨学金制度の有無について述べる前に、まず奨学金制度の基本的な仕組みについて理解しておきましょう。奨学金制度は、成績優秀にもかかわらず経済的な理由で学業を修めるのが困難な状態になりつつある人に対し、安心して学んでもらえるように一定の金額を支給する制度で、日本に限らずさまざまな国の学校でこのような制度が設けられています。

日本の場合、奨学金には大きく分けて、卒業後に長い時間をかけて受け取ったお金を返済しておく「貸与型」と、返済する必要がない「給付型」があります。奨学金制度を利用できる条件は創設している機関によって異なりますが、成績に関する条件はほぼ含まれており、一定以上の成績があげられていなければ応募ができません。

また、ほとんどの奨学金制度は決められた資金の枠内で運営されているため、貸与または給付の対象者は審査によって決定されます。他の応募者に勝るとも劣らない成績であっても、選考で漏れてしまう場合があるので注意が必要です。

声優養成所では申し込み可能な制度の種類が限られる

東京で声優を目指す人が学ぶことができる主な施設には専門学校と養成所がありますが、奨学金制度に関して比較をすると専門学校の方が優れているといえます。法律に基づいて公的機関から設置の認可を得ている専門学校に入ると、学校を運営する法人が独自に設けている制度だけでなく、政府機関が所管する独立行政法人や、都道府県や市区町村をはじめとする地方公共団体が運営する制度などにも応募できるからです。

一方、声優養成所の場合、選択できる方法は、その養成所が独自に運営している支援制度に応募するか、金融機関が設けているローン商品に申し込むかの二つに限られており、奨学金に相当する制度は設けていない所がほとんどとなっています。

どの方法が最良かは本人の状況によって異なりますが、能力に自信がある人は養成所独自の制度を利用した方がよいです。金融機関のローンは基本的に本人の能力に関係なく審査を通れば利用できますが、申込先によっては利息が高い点や、親権者を連帯保証人にしなければならない場合がある点など、留意すべき点がたくさんあります。

声優養成所からの支援の対象者となるためのハードルは高い

声優養成所に設けられている支援制度として代表的なのは「特待生制度」です。これを利用するためには養成所が独自に不定期で開催しているオーディションに合格したり、外部で実施されている新人発掘イベントで優秀な成績を修めたりする必要があります。

しかし、このイベントやオーディションは、特待生の権利を狙って応募してくる人が集まってくることもあって競争率が高くなりがちで、乗り越えるべきハードルはしばしば高いものとなります。すでに人前で演技をした経験がある人であっても、選考から漏れてしまうケースは少なくありません。

それでも特待生を目指して応募する者が多いのは、権利を得た場合のメリットが大きいからにほかなりません。特待生になると入所中の出費を大きく減らすことができるだけでなく、声優プロダクション直営の養成所であれば、学び終えた後にそのままプロダクションに所属して活動できるようになる場合があるからです。声優養成所を出た後の身分や生活がある程度保障されているのは、声優を目指す人にとっては大きな魅力となり得るでしょう。

 

東京の声優養成所には奨学金制度のかわりに、特待生制度に代表される優れた能力を持つ人を対象とした支援制度が設けられています。特待生を選ぶために不定期に行われるオーディションは、競争率が高い上に審査員もシビアに才能を見定めようとするため、合格のハードルは高いです。しかしその分、学費が一部免除されたり、卒業後に事務所に所属できたりするなど、メリットも大きいので、自信がある人は挑戦してみましょう。

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