2つ以上の声優養成所に同時に通うことは可能?おすすめしない理由も解説!
声優になるために、多くの方が声優養成所に通うことになります。少しでも早く声優デビューをしたいと思い、声優養成所の掛け持ちを検討している方もいるかもしれません。複数の養成所でレッスンを受けると、スキルがそれだけ早く身に付くと考える方もいるのではないでしょうか。今回は声優事務所の掛け持ちについて解説します。
2つ以上の声優事務所に通うことは可能?
声優養成所を掛け持ちすることは、養成所が規約で禁止されていなければ可能です。養成所に“掛け持ち禁止”や“外部オーディションを受けることを禁止する”といった規約がない場合、ルール上問題ありません。ただし、否定的な目を向けるプロダクションもあるため養成所の掛け持ちは慎重に検討しなければなりません。
2つ以上の声優事務所に通うのはあまりおすすめできない
規約で禁止されていないのであれば、複数の養成所や声優の専門学校に行きたいと考える方もいるでしょう。しかし複数の養成所に通うことはおすすめしません。それはいくつかの大きなデメリットがあるからです。
ここからは掛け持ちすることをおすすめしない理由を説明します。
■どっちも中途半端になるから
声優養成所に通う目的は、声優としてのスキルを身に付け、声優の仕事ができるようになることです。そのためには声優養成所の評価が必要不可欠です。養成所の評価が高ければオーディションを優先的に受けられるだけでなく、オーディションの一次審査の免除やインターンシップの声かけをしてもらえるなど、メリットは計り知れません。このような待遇が多ければ多いほど経験も積むことができ、それだけ事務所の人の目にも止まるので声優デビューのチャンスは増えます。
しかし養成所の掛け持ちが原因で、授業で出された課題やレッスンの復習をする時間が取れない、台本を覚えてこないなどのようなことがあれば養成所での評価は下がってしまいます。安くない授業料を支払っているため、養成所は1つに絞り、集中して自分のスキルを上げるほうが賢い判断です。教えてもらったことを毎日練習し、その養成所で一番になることを目標にしましょう。
■練習の時間が確保できなくなる
声優の基礎的なスキルは反復練習でしか上達しません。イントネーションや滑舌、発声方法などは声優になるうえで当たり前の技術ですが、マスターするには相当な努力が必要です。教えてもらった基礎を自由自在に使いこなせるようになるには授業以外での練習が重要です。声優を目指すにあたって必要な練習の時間を確保するためにも、養成所の掛け持ちは賢明な選択とはいえません。
■講師のアドバイスが混ざってしまう
声優養成所の講師は、生徒の可能性をできる限り伸ばそうとしています。しかし、別の養成所で教えるのは別の人間なので、教え方はそれぞれ違います。2つの養成所で違う方法を教えられた場合、どちらの言うことを聞けばいいのかわからなくなるでしょう。中途半端に双方のアドバイスを聞くと、「教えたことと違う」と講師からの評価は下がってしまうため、1人の講師のアドバイスを真摯に聞いていくほうが賢明かもしれません。
それでも2つ以上の声優事務所に通いたい場合は?
それでも養成所を掛け持ちしたい方もいるかもしれません。そんなときは自分がなぜ掛け持ちをしたいのかを冷静に整理しましょう。
自分に足りていない力は、演技力なのか表現力なのか他の何かなのかをはっきりさせることが大切です。演技力を学ぶために必要な基礎的な発声方法はマスターしているのかなどを考えましょう。基礎ができていない状態で小手先の技術を学ぶことは、変な癖がついてしまうこともあり逆効果です。
もし、2つ以上の養成所の掛け持ちを考えるなら、まずは今通っている養成所のカリキュラムをやりきり、基礎を身に付けてから検討しても遅くありません。
声優養成所のカリキュラムは、声優に必要なことを詰め込んだものです。そのため、本来養成所の掛け持ちはしなくてもよいことなのです。それでも掛け持ちをしたい場合は、なぜ他の養成所に通うのか目的を明確にして客観的に考えることが重要です。