声優養成所のレッスン内容は?
声優の仕事は声を出すだけと考えがちです。自分自身の声でも常に同じ声を出すのは大変で、さらに作った声を継続的に出すのはもっと難しいでしょう。それぞれの人の出身地などによって話し方に違いがあり、それらの癖も減らす必要があります。
自分の声をコントロールするための練習
生まれたての時は言葉を発することができません。お母さんに何か伝えたいときは泣くしかありません。一方もう少しすると少しずつ言葉がつかえるようになります。お母さんなどが話す言葉とその意味が分かるようになり、自分で話せるようになります。話せるようになると自分で声をコントロールしているように感じますが、実際はただ言葉を発しているだけです。人の声帯などの構造でそれぞれの人の声などが決まるのでしょうが、常に同じ声が出せているわけではありません。
声優や声の仕事では、いかに自分の声をコントロールするかが大事になります。そのため、声優養成所でのレッスン内容として、声をコントロールするための練習があります。ただ話すときの声はコントロールされていませんが、コントロールできると高い声や低い声、いろいろな段階の声が出せるようになります。これによりアニメなどで色々な役柄の声が担当できるようになります。たまたま出せるのではなく、ある声を出そうとして出せるようになるための練習が必要になります。
方言やなまりの矯正と滑舌の矯正のトレーニング
日本は狭いようで広いです。北は北海道から南は沖縄まで多くの地域があります。昔は地域性が強く、それぞれの地域で言葉などが使われていました。今は学校の教科書などで日本語の標準語が学べるようになっているので日本人同士ならそれなりにコミュニケーションが取れますが、それでも地域ごとの方言やなまりが残ります。
声優養成学校で行われるレッスン内容として、方言やなまりの矯正もあります。東京に住んでいる人なら必要ない人もいますが、その他の地域だと独特の発音があります。基本的には標準のイントネーションで話せるように練習をします。その他に行われるのが滑舌の矯正です。舌の構造などでどうしても悪い人もいますが、話し方などで悪くなっている人もいます。トレーニングをすることで流暢に話せるようになるので、そのための練習が行われます。声優にはいろいろな役柄があるので、関西人なら関西人の役をすればいいと考えるかもしれませんが、関西人の役しかできなければ仕事は限定されてしまいます。基本となる標準語ができればいろいろな仕事を受けられるようになります。
アテレコなど演技に関する指導を受ける
俳優は演技をしてさらにセリフを話します。ですから俳優になるには演技の練習もしないといけませんしセリフの練習もしないといけません。声優は基本的には演技は不要です。アニメーションや映像などに自分の声を充てるので、自分が演技をする様子を見せる必要がありません。セリフの練習をしたり、アニメなどに声を充てる練習をすればいいでしょう。
声優養成学校でのレッスン内容として、まずはアテレコがあります。台本が渡されて、映像を見ながら実際にその役になりきってセリフを合わせていきます。慣れないと難しい技術と言えるでしょう。さらに大事なのが演技です。演技は見せる必要はないものの、役柄の人の気持ちになる必要があります。楽しさや悲しさ、苦しさなどを最初から表現するのは難しいです。そこで演技を通じてそれらの状況が出せるような練習をします。プロになれば声だけで楽しさなどが表現できるようになりますが、勉強の段階では演技を通じて声で表現するようにしていきます。本格的な劇などを通じて訓練をするところもあります。
声の仕事では、自分の声をコントロールできないといけないので、そのためのトレーニングが行われます。方言やなまりがある状態では声優の仕事は難しいので、標準語の訓練も行われます。実践的なアフレコなどもあります。